オリジナルの物語設定
魔法使いと私
読み始める →原題: 魔法使与我
挿絵 https://www.bilinovel.com/novel/2357/125799.html
オリジナル小説です。登場人物と出来事は架空です。
紹介の編集: 黄果ショートドラマ · 更新日:
物語
## 挿絵
## 1 名もなき村にて
台湾版 軽之国度より転載
スキャン:風
革の長靴を履いた足が砂利道を踏むたび、小石のこすれるかすかな音がした。
巨大な背囊を背負っているにもかかわらず、男は重心を崩すどころか、腰をぴんと伸ばしたままだった。ときどき手を伸ばして肩紐を押さえるほかは、うつむくことも、雲一つない空を仰いでため息をつくこともなく、ただ黙々と前へ歩いていく。
とはいえ、その背囊は背の低い男にはひどく不釣り合いだった。体積が大きいだけでなく、中身ははち切れんばかりに詰め込まれている。口から突き出しているあの棒は何だろう。ほかにも棒がある。鍋の柄だろうか。
中からは、楽器らしいものまで頭をのぞかせていた。
見ただけでもずしりと重そうな背囊で、決して軽くはあるまい。それなのに、少し汚れた外套をきちんと着込み、その上に日除けの長袍まで羽織った男の歩き方はまったく乱れることなく、一定の歩調を保っていた。
乾いた辺境の大地を風が吹き抜けると、赤褐色の砂塵が舞い上がる。周囲にたくましく生えている雑草や灌木でさえ、砂塵のせいで少し褐色がかって見えた。
起伏を避けて通るこの砂利道は、果てしなくうねり続けているかのようだった。
そして、巨大な荷物を背負い、動機も目的もないように見えるひとり旅の小さな旅人は、そのとき突然足を止めた。
旅人は道端の草むらへ目を向けた。フードを払い、一目で一度も梳いたことがないとわかる乱れた灰髪と……
## 2 堪忍袋の緒が切れた辺境の商都
二人は砂利道へ戻り、西へ向かって進んだ。
辺り一帯は起伏の緩やかな赤茶色の地面で、山々はかろうじて目に入るはるか彼方に座している。川もなく森もなく、草一本生えていないと言ってもいい。春が終わったばかりだというのに、晴れの日の昼の気候は気温が高いというより、陽射しが肌を刺すように痛かった。
ガルルは慣れていて何ともない。だがエルシーはどうか——結果は意外なことに、彼女もまた平然とした顔をしていた。
「旅に慣れているって話は、本当みたいだな」
「え? あたしが嘘ついてると思ってたの?」
「だって、その格好」
「あたしの服の、どこが変なの?」
エルシーは驚いた顔で、体のあちこちを撫でた。
「変ってわけじゃない。旅人らしくないってだけだ」
「本当にそうかも——実は、すごく深い理由があるの」
「どんな理由だ」
「もう言ったと思うけど、荷物をなくしたこと」
「なくしたんじゃなくて、まるごと盗まれたんだろ」
「……あのとき、一着しかなかった外套も一緒に消えちゃったの」
「外套? 今着てるその服の上に羽織るやつか」
「うん。寒くても暑くても、あの外套が好きで、外ではほとんど着てた」
「荷物を盗まれたのは野宿してるときだよな。寝るとき脱いでたのか」
「たまにね。あの日はちょっと蒸してたから脱いで……こうやってかけて、布団代わりにしてたの」
「それで目が覚めたら、なくなってた?」
「そう。本当にひど……
## 3 生きているかぎり
親愛なるアレアンお兄ちゃんへ
お兄ちゃん、元気にしてる?
わたしとローラは、ふたりとも元気よ。こう書くとお兄ちゃんは疑うかもしれないけど、わたしたち、このところ本当に調子がいいの。きっとお兄ちゃんがお給料で新しい家を借りてくれたおかげだと思う。前の家にはパパとママとの思い出もあったし、住み慣れていて不自由もなかったけど、やっぱり少し古くて、カビの匂いが強く、空気も冷たくて、わたしはともかく、ローラにはあまりよくなかった。それに比べて、新しい家はとても快適。次の休みが楽しみで、ローラとほとんど一日じゅう、お兄ちゃんが帰ってきたら何を作ってあげようか話してるの。
お兄ちゃん、いつお休みが取れるの? 軍での仕事が大変なのはわかってるから、わたしは我慢できる。でもローラはまだ九歳で、一日じゅうお兄ちゃんはいつ帰ってくるのって聞いて、本当にうるさいの。内緒なんだけど、ローラ、夜中に泣いたことがあるの。彼女が秘密にしてって言うから、手紙に書いたことをお兄ちゃんから言いふらさないで。特にローラには絶対言わないでね。お姉ちゃんとしての義務で、お兄ちゃんに伝える必要があると思っただけ。お兄ちゃんがローラの詳しい様子を知りたがってるのはわかってるもの。わたしが大丈夫なのはもう知っていても、ローラのことは心配でしょ? ローラはまだ九歳。少しずつ成長してはいるけど、今はまだ子どもなの。それでも、お兄ちゃんに一言言っておきたい。ローラは頑張ってる。正直に言うと、九歳のときのわたしより大人かもしれない。……
## 4 魔法使いとわたし
エルシーには、キツツキというこの人がどうしてもわからなかった。
聞きたいことは山ほどあるのに、どう聞けばいいのか、どこから聞けばいいのか、まったく見当がつかない。そのときキツツキが口を開き、提案した。「そうだ、いいことを思いついた」。エルシーに考える暇などまるで与えずに。
「エルシー、助けに行こう」
「助け……?」
「うん。おれとおまえで助けに行くんだ」
「助けるって言われても、いったい誰を助けるの?」
「そんなの聞くまでもないだろ? 本当に知らないのか? もちろん、彼らだ」
エルシーが知っているのは一つだけ。キツツキが一度決めたら、誰の言葉も耳に入らないということ。熊のような体つきのリーダー、ユズロも、レト族のような尾のある人、オイバもキツツキを止めようとし、エルシー自身も承諾してはいなかった。それでもキツツキは我を通し、エルシーの手を掴んで外へ引きずり出した——コルタポの市内はすっかり様変わりし、路上は人で埋まっていた。怒号と悲鳴が次から次へと起こり、轟音は四方から響き、炎は絶えず噴き上がる。人々はみなひどく興奮し、怒っており、それが同時に恐慌も引き起こしていた。どこへ向かうかもわからぬまま群れをなす者もいれば、頭を失った蠅のように逃げ回る者もいる。二人が大通りへ出たとき目にしたのは、亜人たちが力の限り石を投げている光景で、その標的は警備隊の者たちだった。大通りの隅では、数人の亜人が警備隊員一人を取り囲み、棒で打ち、足で蹴り続けていた。
それを見たキツツキは、興奮した様子で言った。「おお! 始まった始まった」
「始まった……?」
「エルシー、……
## あとがき
「君は解雇だ」
——正直に言うと、一年あまり前に筆を取り始めた『魔法使いとわたし』は、最初の四十ページの冒頭がこの一文だった。
ガルルもエルシーも相変わらず登場し、舞台となる世界も同じではある。だが最初の「魔わたし」と本書とは、まったくの別物なのだ。
当時すでに、新しいシリーズを立ち上げる草案には触れていて、わたしもさんざん考えあぐねていた。しかし『灰と幻想のグリムガル』関連の仕事やほかの原稿で手がいっぱいで、そのうえ当時は人を驚かせるようなアイデアがどうしても浮かばなかった。「旧魔わたし」を引っ張り出すのもどうかと思えたし、スケジュールもぎっしり埋まっていて、草案はこのままお蔵入りか、というところだった。ところが、幸運にもアニメ『灰と幻想のグリムガル』の初回収録に立ち会ったあと、録音スタジオのあるビルのロビーで編集と二言三言話しているうちに、ふとひらめいた。「旧魔わたし」をこうしてああすれば、面白い小説になるのではないか、と。思いついてしまったからには腹をくくるしかなく、その場で編集と「これで書こう」という結論に至った。
本書は間違いなく、グリムガルの収録過程に影響されて生まれたアイデアだ。もう少し具体的に言えば、アニメ制作陣、とりわけ中村亮介監督、細居美恵子さん、東宝の齋藤雅哉プロデューサーとのやりとり、そして声優たちの演技に刺激を受けて、ようやく思い至った。オーバーラップ文庫で書くべき、全力で書くべき、より多くの人に読んでもらえる作品とは何なのかを。
ただ、本当にここまでとは、思いもしなかった……
## 特別極短篇カード パルとジイ
ある日、ガルルとジイは川辺で足を止め、ジイが突然言った。「パル、洗濯をしよう」
「この老骨が洗ってやる。さあ早く、着ている服を脱げ」
「どうして洗濯なんてするの」
「もう汚れてるし、匂いもきついからだ」
ガルルは自分の服の匂いを嗅いだ。
「臭いは臭いけど、ぼくは平気だよ」
「とにかく脱げ。ほら」
「ジイは? ジイの服だって汚くて臭いでしょ」
「老骨の服ももちろん洗うさ」
「じゃあ先にジイの服を洗おうよ」
「そうするか」
ジイはうなずくと服を脱ぎ、腰までずり上げた、体にぴったりのトランクス一枚になった。そこで彼はトランクスを見下ろし、困った顔をした。
「こうしてよく見ると、トランクスもかなり汚れているな」
「それも洗っちゃえば?」
「あとにしよう」
「そうなんだ」
「うむ」
ジイは川岸にしゃがみ、服をこすり洗いし始めた。ジイは戦士で、年は重ねていても頑健な体つきを保っている。だがところどころは年月に抗えず、たるんでいた。ほとんど裸に近い姿で地面にしゃがむジイを見て、ガルルは少し気の毒に思った。
しかしジイの顔はにこにこしていた。
「ジイ、何を笑ってるの」
「そうすると、お金が余計にかかってしまう」
「ぼくはやらない」
「ほうほう?」
「それは盗みだ。パル、絶対にやってはいけない」
「ぼくは要らない」
「そうだそうだ」
「市場には何枚も並んでるでしょ。お金を払わずに取っちゃえばいい」
「なんでもないさ」
「ジイって本当におかしいよ」
「パルの頭は……
ほかのドラマ
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