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犬と魔法のファンタジー世界

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原題: 狗与魔法的奇幻世界

犬と魔法のファンタジー世界 — 物語のイラスト
作品紹介のカバー画像 · AIで制作したイラストです。原作の公式表紙ではありません。

犬と魔法のファンタジー世界。挿絵:https://www.bilinovel.com/novel/1232/121436.html

オリジナル小説です。登場人物と出来事は架空です。

紹介の編集: 黄果ショートドラマ · 更新日:

物語

## 挿絵

## 人物紹介

チタン・骨砕。身長は二百リマイを超える大男。屈強そのもの。首府の宮廷大学に通う三年生。

夜美伽・来倉はチタンの大学の同級生ではないが、外部生の身分で大学のサークルに参加している。

ルード。チタンの男の悪友。ドワーフ。

ロエル・猪突。チタンの男の悪友。今ではごく稀なダークエルフ。

ヤンゴン。チタンと同じ大学に通う王族の子弟。

ケンユウモ。中年の冒険者。チタンが通う大学の冒険サークルの大先輩。

イディア。チタンが所属する大学冒険サークルの会長。独りよがり。

チェリ。チタンのサークルの新入生。歌唱アイドルグループ「エルヴィン」のメンバー。

クイン。チタンのサークルの新入生。歌唱アイドルグループ「エルヴィン」のメンバー。

シロ。チタンが冒険の折に助けた白い犬。

## 第一章

真っ赤な毛布は、血を吸い尽くしたかのようだった。その上に、三人の若者が跪いている。三人とも同じ仕立ての黒い甲冑を着ている。きっと騎士なのだろう。国に忠勤を尽くす武士のようなこの構えを見るかぎり、それ以外に考えようがない。

しかし、そうではなかった。若者たちの身にまとっているのは、金属片を縫いつけた、甲冑に由来する商務服にすぎない。いまの世で甲冑といえば、この布製品を指す。用途はごく少ない。そのひとつが――ふつうはもっとありふれた呼び方をするのだが――謁見である。

若者たちは謁見を受けているところだった。

彼らの眼前には、壮年の男が三人座っている。こちら三人の装いは、正装とは呼べない簡素で実用的な商務服だ。つまりこの三人の地位は、若者たちの上に立つ。

「面を上げよ。」壮年の男のひとりが言った。

若者たちは顔を上げた。このとき礼に従い、兜は左の脇に抱える。決して地面に置いてはならない。それは甚だしい非礼にあたる。この作法は騎士の真似だが、この三人は騎士ではない。では、いったい何者なのか。

三人のうちいちばん大柄な男が、名を名乗った。

「と、東都宮廷大学、詩学部、文学専攻、三年生に在籍しております。骨砕家の長男、名はチタンです。」

当たりだ。彼らは大学生だった。ただの大学生ではない。就職活動中の大学生である。この大柄なチタンに続き、残る二人もそれぞれ大学名と氏名を名乗った。もっとありふれた言い方をすれば――集団面……

## 第二章

ほかの五大陸から見れば、「新大陸」は世界六大陸のうち、もっとも遅く発見された土地である。そのためここの歴史は古代を飛ばし、中世からまっすぐ始まっている。

大通りに林立する現代の建物にも、その事実をわずかに映しているところがある。

王宮など歴史のある建物はいずれも中世風のイングニ式で、他国ではよく見かける古典的な造形はほとんどない。

もうひとつの大きな特徴は、成熟した階級制度をそのまま導入したことだ。

たとえば騎士道は、外から持ち込まれた文化のひとつである。

古代社会では、富裕な階級だけが幸いにも軍中で騎兵の身分を得られた。彼らは新たな領土と奴隷を得るため、強力な装備をまとい、私兵を率いて戦いに加わった。

「新大陸」の外では、血なまぐさい掠奪の歴史がくり返されていた。

この時点では、騎士道など存在していなかった。

戦争が一段落すると、政治の中心は王宮へ移る。掠奪という風情のない言葉は口にされないか、聖戦という言葉にすり替えられる。

掠奪は掠奪、騎士道は騎士道。

さて、「新大陸」には先住の民がいた。どれも小勢力と呼ぶしかない規模だったが、その小さな先住民たちは、それぞれ独自の文化を育てていた。たとえばエルフ、たとえばドワーフ、たとえば蛮族の人間。

当時のほかの五大陸にくらべれば、彼らの文明の度合いはかなり低かった。これらの民はまたたく間に呑み込まれ、奴隷になるか、追い出されるかした。

領土が急激に広がったため、大陸の……

## 第三章

それから、一週間が過ぎた。

集会どころか、夜美伽は活動室に姿を見せることさえなかった。

チタンが感心した点は、ひとつだけある。

逃げる時機の見きわめにおいて、夜美伽の右に出る女はいないだろう。

エルヴィンのチェリとクインが、夜美伽のいた位置に君臨していた。

「大学側にも事情を説明し、偽名を使う許可を得ました。ですから普段はチェリではなく、偽名のデスピアで呼んでいただけると、いちばん助かります。」

かしこまりました。

一同がへつらいながら言った。

「同じく、クインではなく、ベネレッドとお呼びください。」

かしこまりました。

一同がもてなして迎えた。

「けどクイン――いや、ベネレッドは、万が一に備えてエルヴィンの従者なんて身分まで用意したのに、あっという間にばれたんだよな。」

「たぶん全部おまえのせいだ。あれは変装のうちに入らない。」

クインは本気で正体を隠しきろうとしていたらしい。化粧は普段よりずっと変えてあり、目立たないように本当に努力したのが見てとれた。

ところがチェリのほうは、変装の気配がまったくない。

ロエルでなくとも、たやすく見破れるだろう。

「ああ、我が主君よ。それほどまでに正体を見破られぬよう警戒しておられるのに、なぜ自ら名を名乗られたのでございますか?」

熱狂的な崇拝者としての気持ちを隠そうともせず、もはや別人と化したロエルが問うた。

チェリは臣下たちに答えた。

「みなさんと、互いを信頼し合える関係を築きたいと思っただけです。ただ、芸能界に身を置く身としては、おおっぴらに言いふらすわけにもいかなくて……

## 第四章

帰りの軌車の中で、携帯を確かめた。

落としそうになったあと、大きなことが立て続けに起きて、それきり見ていなかった。

幸い、壊れてはいなかった。

そして短文でやりとりできる伝書魔法「良縁」には、すでに何十件ものメッセージが届いていた。

送り主は、全員が夜美伽だった。

✝

「シロが吐いた。」

駅で夜美伽につかまった。

良縁で返事を返した瞬間、いまいる場所を訊かれた。

「何度も吐いてる。胃液しか出なくなっても止まらない。まずい。死ぬかもしれない。ユプ【訳注:種命の登場人物。】と一緒に獣医へ連れていったけど、原因はまだわからない。」

「ユプ?」

「ケンユウモの知り合い。シロを預かってもらってる人。」

「ああ、そうなんだ……」

退役した冒険者だという。

「どうすればいい? 息をするのもつらそうで、症状はまだ重くなってる。かわいそう。」

「窒息したのか?」

夜美伽は否定した。

「でも、すごく苦しそうで、もう見ていられない。」

「名のある獣医を探すしか……」

「獣医なら、紹介できるぞ。」

二人の背後からこちらを見ていたケンユウモが、話に割り込んできた。

特急の軌車で三時間も揺れ続けてようやく着いたというのに、手ぶらで帰ることになった。

「そんなはずはない!」

エルフだ。

仲間を噛み殺した。

危険きわまりないため、王国はこの土地を開発禁止区域に指定し、国民は許可なく立ち入ってはならない。

「これなんですが。」獣医は曇った顔をした。「この病気については、まだ不明な点が多い。なにしろ病……

## 第五章

詳細はこうだ。

北稜までは、拠点の設営もルート工作も、予定どおり進んだ。

学生はあわせて二十人。そこにチェリとクイン、そして夜美伽の三人を加え、北峰の登頂に成功した。北峰から霧吹山へ挑むために必要な足場を組む作業も、きわめて順調だった。

まだ余力のある隊は南へ進んだ。

北稜の山頂――四千九百迷の地点――まで運び上げられた荷物を背負い、誰も足を踏み入れたことのない下山路を歩き始めた。

峰と峰のあいだ、標高三千八百迷のところに、ほとんど平面といっていい広範な緩斜面がある。彼らの目標はそこだ。その先はふたたび険しい山地がそびえ、道とは呼べない苛酷なルートが、五千迷を超える真の頂まで続いている。

この緩斜面こそ、中継キャンプを設営する場所である。

班分け。

北峰の反対側とこちらを往復し、ひたすら中継キャンプへ物資を運ぶ班。

先行して調査し、ルートを敷く先遣隊。

そして、挑戦に備える五つの隊。学生は五つの隊に分けて配属された。どの隊にも、熟練の冒険者が数名ずついる。

そのほか、チェリとクインが連れてきた特別番組の収録班がある。二人は学生の身分を隠して番組を録る。そのおかげで予算がさらに上積みされ、隊は最高級の装備を使えた。

誰の目にも、これは万全の準備だった。

朝、先遣隊が出発した。全部で三隊。

学生の死傷を防ぐため、最善の経路を選ばねばならない。まさにそれゆ……

## あとがき

……締め切りに間に合わなかった。

笑って許してもらえる範囲から、二歩は踏み越えてしまった気がする。冷や汗ものだ。これではとうてい予定どおり発売できない、と、何度も白旗を振りかけた(振った)。それでも、なぜか書き上げていた。これはなぜなのか……?

とにかく、間には合ったものの、現場は甚大な被害を受けたはずだ。

「◯◯(本名)のやつ、よくもこんな真似を!」

――小学館第二漫画部COROIC編集長

「また◯◯(本名)か! いい加減にしろ!」

――小学館市場戦略部書籍営業一課副課長

「◯◯(本名)は死ね!」

――小学館マルチメディア部クロスメディア事業センター

ひょっとすると、現場の人たちからこんな愚痴を飛ばされていたかもしれない。恐ろしいことだ。

最初は、この本がそれほど売れなくても構わないと思っていた。だがこうなっては、自分の罪を軽くするためにも、少しでも多く売れてほしい。

本書は、人と違うものが好きな人に薦めたい一冊だ。回りくどい人と違いではなく、まっすぐな人と違いである(こんな言い方しか思いつかない)。

できるだけ夢も希望もない幻想作品を書こうと、力の限りを尽くした。この点については、かなりの自信がある。そして今回は小学館という大手出版社がそばにいてくれたので、その社員と内定者のみなさんに就職活動の調査をお願いし、参考にさせてもらった。

調査に協力してくれたみなさんに心から感謝するとともに、みなさんがますます活躍され……

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