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有閑倶楽部

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原題: 有闲俱乐部

有閑倶楽部 — 物語のイラスト
作品紹介のカバー画像 · AIで制作したイラストです。原作の公式表紙ではありません。

# 有閑倶楽部 ## 挿絵 > https://www.bilinovel.com/novel/822/117665.html ![](https://img3.readpai.com/0/822/117665/54121.jpg) ![](https://img3.readpai.com/0/822/117665/54122.jpg) ![](https://img3.readpai.com/0/822/117665/54123.jp……

オリジナル小説です。登場人物と出来事は架空です。

紹介の編集: 黄果ショートドラマ · 更新日:

物語

## 挿絵

## EPISODE 1 鳩血石の波紋

台湾版 転載元:ノウザン@軽之国度

東京都内のある宝飾店の応接室で、女店主はソファに座る婦人にネックレスを見せていた。ネックレスは、ビロードのクッションの上に慎重に置かれている。

「ご満足いただけましたでしょうか、ズブロッカ夫人。こちらの石は、ルビーのなかでも最高級の鳩血石でございます」

女店主は微笑みながら紹介した。

「プラチナで仕立てた台座にダイヤモンドをあしらってございます。この等級にしては、お値段もたいへんお手頃ですわ!」

繊細な曲線に加工されたプラチナには、数十個のダイヤモンドが埋め込まれ、細工はきわめて精緻だ。

ペンダントの周囲にはメレダイヤが一周し、中央には目もくらむほどの輝きを放つ、大きな雫型のルビーが嵌められている。

「鳩血石」とは文字どおり、その色合いが鳩の鮮血を思わせる、最上等のルビーである。

その境地に達することのできるルビーは、ごくわずかしかない。

暗赤に近い濃艶な色は透明で、いかなる不純物も含まず、弱い光のもとでも燦然と輝く。そのうえ、角度が変わると、ルビーのなかにモザイクのような妖しい淡紅色の光さえ瞬く。

これこそが「鳩血石」だ。

「ああ、本当に美しい!」

網状のヴェールをあしらった帽子をかぶったロシア大使夫人は、思わず、ネックレスの精緻な細工と中央の大粒ルビーの絢爛たる色合いに感嘆の声を漏らした。

これほど大きなルビーは、同じ大きさのダイヤモンドさえはるかに上回る値段がつく。だからこそ、ほかの宝石には代えがたい神秘的な魅力を持つのだ。

「これになさいませんこと、夫人。ルビーはちょうどアメリカ大使夫人の……

## EPISODE 2 舞台に潜む魔物

東京都内のロシア大使館の一室で、さっきから大使夫人の秘書が声をひそめて電話をしていた。

部屋には彼ひとりしかおらず、大使館内の電話が盗聴されるはずもない。それでも彼は、大きな声で話す勇気が出なかった。

万が一、ほかの者に通話の内容を聞かれたら、まずい。

『スミルノフ、いったいどういうことだ!』

電話の向こうの相手は、こらえきれずに満腔の怒りを爆発させた。

『あのルビーのネックレスには、最初に約束した物がまったく入っていない! こっちの出した値段が足りないとでも思って、敵対する会社に売り飛ばしたんじゃないだろうな?』

「そんなこと、するわけがありません! もう一度よく探してください。本当に、ルビーのネックレスの指定された場所に入れておいたんです!」

『探せるところは全部探した! それに、そのネックレスは君が送ってきた写真といくらか違う。ルビーは本物で間違いないが、周りのダイヤモンドが一個足りない』

「まさか……」

『そうだ。君が最初に指定した、あの一個だ。君と接触している会社がうちだけじゃないのは知っている。ほかの会社の連中が、貴国に密告したんじゃないのか?』

「……」

『どっちにしろ、これは明らかに君のミスだ! フィルムのバックアップはないんだろう? 早くマイクロフィルムを見つけ出せ。さもなければ報酬は一銭もやれないぞ! 報酬の話は、フィルムが見つかってからだ!』

相手は強硬な口調で何度も念を押すと、スミルノフの返事も待たずに一方的に電話を切った。

「くそっ! いったいどうなってるんだ!」

大使夫人の秘書——スミルノフは、受話器を力いっぱい叩き戻した。

彼は焦燥に駆られながら……

## EPISODE 3 陰謀のワルツ

聖プレジデント学園の生徒会室で——

有閑倶楽部の六人のメンバーは、相変わらず暇を持て余し、目的もなくここに集まっていた。

「Check back(注1 P220)、ここでNatural turn(注2 P220)!」

見目麗しい容姿と人受けのよさを生きがいとする二人——美童と可憐は、社交ダンスを踊って時間をつぶしていた。

美童のリードに合わせて可憐がステップを踏むと、長い髪がしなやかに揺れた。

・

「ずいぶん上達したね、可憐! すごいじゃないか!」

「美童のリードが上手いからよ。さすが、子供のころから踊っている人ね」

「それなら、年に一度のダンス大会、神無祭に出てみようかな? 僕の実力なら、スタンダードダンス部の連中に負けないはずだ」

「冗談はやめて」

ターンをひとつ決めると、可憐は笑いながら却下した。

「うちの学校のスタンダードダンス部は、優勝の見込みがかなり高いのよ! ほかの部員は大した実力じゃないけれど、沢之鶴美智子と大関真悟は国際レベルの腕前なんだから」

有閑倶楽部のほかのメンバーは机に寄りかかり、話しながら踊る二人を眺めていた。

これまでの事件ではほとんど見せ場のなかった美童だが、踊りとなると水を得た魚で、動きはきわめて流麗だ。

「ふーん……人間って、やっぱり少なくとも一つは得意なことがあるんだな」

自分のことは棚に上げて、悠理は少々失礼な結論を下した。

たしかに、美童と可憐の長所は美しい容姿だけだ。しかし言ってしまえば、悠理にしても、驚異的な体力のほかに自慢できるのは、必殺の飛び蹴りと、大食い選手級の胃袋くらいのものだろう。

「神無祭って、たしか……

## あとがき

世界でいちばん華やかで、活力に満ちた高校生といえば、この『有閑倶楽部』のメンバーを置いてほかにいない。

それにしても、この六人は本当にうらやましい。

財閥の令嬢、本家の令嬢、大病院の院長の息子、警視総監の息子。これほどの大富豪やエリート家庭の出身というだけでも十分うらやましいのに、全員が美形ときている。

清四郎と野梨子は学年でも一、二を争う優等生だ。そればかりか、野梨子は演劇部の部長を超える演技力を持ち、公演のヒロインを務められるほど。美童と可憐の社交ダンスの実力も、大会に出られる水準にある。

しかし何よりうらやましいのは、六人のあいだにある真摯な友情だろう。

可憐はいつも野梨子を妬み、悠理と野梨子も折に触れて互いに突っ込み合う。それでも友だちが困っていれば、彼らは身を顧みず助けに入る。

その勇気と行動力は、有閑倶楽部のメンバーだけに向けられたものではない。そばに助けを必要とする人が現れれば、全力で手を貸す。たとえば、白雪緑を傷つけた不徳な政治家をこらしめたり、大関真悟と沢之鶴美智子を負傷させた賭け事を壊したり、といった具合に。

だから彼らはしばしば危険に遭う。それでも六人は、自分とは直接関係のないことのために、知恵と力を注ぐことを厭わない。

そういう行動に出られるのは、何がいちばん大切かを、彼らが分かっているからに違いない。富も、家柄も、美貌も、才能も、何ひとつ欠けていないからこそ、本当に大切なものが何なのかを、より深く悟れるのだ。

ただし、それは……

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