オリジナルの物語設定
有閑倶楽部
読み始める →原題: 有闲俱乐部
# 有閑倶楽部 ## 挿絵 > https://www.bilinovel.com/novel/822/117665.html   、ここでNatural turn(注2 P220)!」
見目麗しい容姿と人受けのよさを生きがいとする二人——美童と可憐は、社交ダンスを踊って時間をつぶしていた。
美童のリードに合わせて可憐がステップを踏むと、長い髪がしなやかに揺れた。
・
「ずいぶん上達したね、可憐! すごいじゃないか!」
「美童のリードが上手いからよ。さすが、子供のころから踊っている人ね」
「それなら、年に一度のダンス大会、神無祭に出てみようかな? 僕の実力なら、スタンダードダンス部の連中に負けないはずだ」
「冗談はやめて」
ターンをひとつ決めると、可憐は笑いながら却下した。
「うちの学校のスタンダードダンス部は、優勝の見込みがかなり高いのよ! ほかの部員は大した実力じゃないけれど、沢之鶴美智子と大関真悟は国際レベルの腕前なんだから」
有閑倶楽部のほかのメンバーは机に寄りかかり、話しながら踊る二人を眺めていた。
これまでの事件ではほとんど見せ場のなかった美童だが、踊りとなると水を得た魚で、動きはきわめて流麗だ。
「ふーん……人間って、やっぱり少なくとも一つは得意なことがあるんだな」
自分のことは棚に上げて、悠理は少々失礼な結論を下した。
たしかに、美童と可憐の長所は美しい容姿だけだ。しかし言ってしまえば、悠理にしても、驚異的な体力のほかに自慢できるのは、必殺の飛び蹴りと、大食い選手級の胃袋くらいのものだろう。
「神無祭って、たしか……
## あとがき
世界でいちばん華やかで、活力に満ちた高校生といえば、この『有閑倶楽部』のメンバーを置いてほかにいない。
それにしても、この六人は本当にうらやましい。
財閥の令嬢、本家の令嬢、大病院の院長の息子、警視総監の息子。これほどの大富豪やエリート家庭の出身というだけでも十分うらやましいのに、全員が美形ときている。
清四郎と野梨子は学年でも一、二を争う優等生だ。そればかりか、野梨子は演劇部の部長を超える演技力を持ち、公演のヒロインを務められるほど。美童と可憐の社交ダンスの実力も、大会に出られる水準にある。
しかし何よりうらやましいのは、六人のあいだにある真摯な友情だろう。
可憐はいつも野梨子を妬み、悠理と野梨子も折に触れて互いに突っ込み合う。それでも友だちが困っていれば、彼らは身を顧みず助けに入る。
その勇気と行動力は、有閑倶楽部のメンバーだけに向けられたものではない。そばに助けを必要とする人が現れれば、全力で手を貸す。たとえば、白雪緑を傷つけた不徳な政治家をこらしめたり、大関真悟と沢之鶴美智子を負傷させた賭け事を壊したり、といった具合に。
だから彼らはしばしば危険に遭う。それでも六人は、自分とは直接関係のないことのために、知恵と力を注ぐことを厭わない。
そういう行動に出られるのは、何がいちばん大切かを、彼らが分かっているからに違いない。富も、家柄も、美貌も、才能も、何ひとつ欠けていないからこそ、本当に大切なものが何なのかを、より深く悟れるのだ。
ただし、それは……
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