オリジナルの物語設定
旅を、世界を滅ぼす終焉まで
読み始める →原題: 旅行,直至毁灭世界的终焉
# 旅を、世界を滅ぼす終焉まで ## 挿絵 > https://www.bilinovel.com/novel/823/117662.html ウェブ翻訳版。澄空学院二次元ライトノベル部(bbs.sumisora.net/thread.php?fid=60)より転載。 翻訳:ameaya;kawai_lucy;WF;leaf;熊吉;darkxh;三三;小雅;某T;栗子。 校正:ameaya;淳平;幻の傷;艾德;小橙子;栗子;聆風;小米;夢境。 画像加工:魔法猫……
オリジナル小説です。登場人物と出来事は架空です。
紹介の編集: 黄果ショートドラマ · 更新日:
物語
# 旅よ、世界が滅びる終焉まで
## 挿絵
> https://www.bilinovel.com/novel/823/117662.html
ネット翻訳版 転載元
澄空学院二次元ライトノベル同好会
bbs.sumisora.net/thread.php?fid=60
翻訳:ameaya;kawai_lucy;WF;leaf;熊吉;darkxh;三三;小雅;某T;栗子
校正:ameaya;淳平;幻の傷;艾德;小橙子;栗子;聆風;小米;梦境
画像加工:魔法猫;小R
推敲:amemiya;琉璃
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あらすじ
少年と少女の旅が始まった。一冊の日記を携えて、世界の終焉まで。
世界は、すでにゆっくりと滅びの淵へと歩みを進めている。
「記憶喪失」が蔓延し、人類は次第に世界から消えていく。自分の名前を失い、世界の色彩を失い、さらには自分という存在まで、少しずつ、完全に失われていく……
そんな世界のなかで、一台のバイクが、なおも疾走していた。乗客は少年と少女。ほかの人々と同じく、彼らもまた、いわゆる「記憶喪失」を患っていた。だからこそ学校と家庭を離れ、長い旅路に踏み出した。
目的地は、世界の終焉。
目的もなく、意味もない前進。それでも旅を放棄しようと思ったことは一度もない。知らず知らずのうちに自分を失い、滅びの淵に立たされても、二人は一度も後悔しなかった。
記録しながら、記憶を失っていく世界で。少年と少女の旅の記憶を、旅の物語を記した、一冊の本。


















## 序
> https://www.bilinovel.com/novel/823/36289.html
世界は、すでにゆっくりと滅びの淵へと歩みを進めている。
「記憶喪失」が蔓延し、人類は次第に世界から消えていく。自分の名前を、世界の色彩を、さらには自分という存在までも、少しずつ、完全に失われていく……
そんな世界のなかで、一台のバイクが、なおも疾走していた。乗客は少年と少女。ほかの人々と同じく、彼らもまた、いわゆる「記憶喪失」を患っていた。それゆえ学校と家庭を離れ、長い旅路に踏み出した。
目的地は、世界の終焉。
目的もなく、意味もない前進。それでも旅を放棄しようと思ったことは一度もない。知らず知らずのうちに自分を失い、滅びの淵に立たされても、二人は一度も後悔しなかった。
記録しながら、記憶を失っていく世界で。少年と少女の旅の記憶を、旅の物語を記した、一冊の本。
すべてを捨てて、旅に出ることができるだろうか?
そう問われて、すぐに答えられる人は、そう多くないだろう。
けれど、私は答えた。
あのときの光景は、写真のように、鮮明に脳裏へ焼きついている。
すべてを捨てて、旅に出ることができるだろうか?
その問いに対する、私の答えは――はい。
## 第一章 夢
> https://www.bilinovel.com/novel/823/36290.html
「……どう? 直せる?」
尋ねているそのとき、少年は尻を突き出し、手にレンチを握り、まる一週間便秘しているかのように、必死でねじを回していた。
「四日前から、こいつをいじり回してるんだ。もう少し直せば、この調子なら、次の街までは行けるんじゃないか?」
「勘弁してよ。次の街まで、まだ数十キロもあるのよ」
少女は笑いをこらえきれず、そばの長椅子に腰を下ろした。ただ、その長椅子は長いあいだ日にさらされ、ぱりぱりと毛羽立っていた。裸の脚で座ろうものなら、きっと擦りむける。とはいえ今は、身体の疲れがすべてに勝っているようだった。少女はスーツのジャケットに似た制服を着ていたが、暑さのせいか、すでに上着を脱ぎ、しきりに手で風を送っている。
「少年って、本当に物を直す才能がないのね? このバイク、とっくに壊れてるのに、無理して百四十キロ以上も走らせて……なんと言えばいいのか。そんなことしたって、わざわざ褒めてくれる人なんていないわよ」
「……うるさいな。今は進みながら直すしかない。一気に大修理なんて、今じゃとうてい無理だ」
少女の口から少年と呼ばれる少年は、手のレンチでねじを一段と締めつけた。
彼とその少女は同じ学校の生徒で、彼も同じ型の男子用制服を着ていた。ただ彼もまた上着を脱ぎ、ネクタイをほどき、襟元はすっかり……(コンテンツの読み込みに失敗しました!更新するか、ブラウザを変更してください)
## 幕間
> https://www.bilinovel.com/novel/823/36291.html
「……ねえ、少年」
しばらく走ったあと、少女がふいに声をかけた。
「なに?」
「……さっき、理事長が言ってた。来年の五月には、いちごが収穫できるって」
「うん」
「理事長、少し残しておけるかしら?」
「……わからない。『置いたまま腐らせる』よりは、早めに収穫したほうがいい」
「……」
二人のあいだは、ふたたび沈黙に戻った。少女は後ろに座り、少年の腰をきつく抱きしめていた。
がんばれ、秘書さん。がんばれ。
少女の声は、バイクの排気音に完全にかき消され、最後の言葉が何だったのか、誰にもわからない。そのすべてが、夏の気配とともに、背後のアスファルトへと染みこんでいった。
*
バイクのエンジンは力強く回り続け、やがて理事長の雑貨店は、地平線の向こうへ消えた。
バイクは軽やかに進む。道の両側の景色は、昨日とさして変わらない。ただ一つ違うのは、速度を上げ続けるバイクがもたらす、わずかな涼風だった。頭上の太陽は相変わらず人を殺しかねない陽光を放っている。それでも、向かい風の涼しさは、いくらか気が楽になる。
「そうだ、少年」
突然、少女の声が沈んだ。
「うん、どうした?」
「どうしてあなたの身体から、石鹸のいい香りがするの?」
さっと、少年の頬から血の気が引いた。
「おかしいわ……『わたし』、お風呂に入ってないはずなのに、……(コンテンツの読み込みに失敗しました!更新するか、ブラウザを変更してください)
## 第二章 翼
> https://www.bilinovel.com/novel/823/36292.html
少年は顔を上げ、濁った空を見上げた。
さっきまで爽やかに晴れていた空が、いつのまにか背後から押し寄せる黒雲に追いつかれ、ほとんど一瞬のうちに曇ってしまった。ごろごろと雷鳴が響き、空に浮かんでいた太陽は、すでに影も形もない。
それに対して、周囲を流れていく景色は、相変わらず変わり映えのない草原だった。
ときおり、そう遠くない場所に、冬の吹雪で壊されたような農家の建物が見える。だが、あの損壊した建物で雨宿りするなど、どうにも見込みがなさそうだった。
「……ああ……もうすぐ雨が降りそうだ。どこか雨をよけられる場所があればいいのに……」
「大丈夫、問題ないわよ~。だってわたしは晴れ女なんだから~~」
「それは悲劇だな。俺は雨男だから」
「あらあら~」
二人はへらへらと笑い、少女は何気なく振り返って、一日じゅう背後にあった空を見た。じわじわと追いついてくる黒雲は、かなりの水分を蓄えているように見えた。
実際、濡れること自体はどうでもいい。肝心なのは、どこかに人家があり、自分を待っている乾いたタオルがあり、それから身体を温められる暖炉があることだ。
二人で自分たちの身体を温めようとすれば、燃料のほかに、自分で火を起こし、自分で衣服を乾かさなければならない。そうして風邪を引いたら、あまりにまずい。その結末は深刻だが、さらに深刻なことがその先にある。このまま立ち止まって進まなければ、腹を空かせることになるだろう。
「このままじゃ、二人とも風邪を引く。そうなったら……(コンテンツの読み込みに失敗しました!更新するか、ブラウザを変更してください)
## 幕間
> https://www.bilinovel.com/novel/823/36293.html
太陽は次第に傾き、地平線の向こうへ隠れた。それでも少年はスーパーバイクを走らせ続けていた。途中で道を間違え、予定より遠い回り道をした。だが、その間違いを犯した理由は、やはり精神的な問題なのだろう。
目を閉じれば、すぐにBOSSの顔が浮かぶ。しかし喪失症のせいで、顔かたちは次第に消えていき、最後にはBOSSの顔も、きわめてあいまいな様子しか思い出せない。体格も、声も、口癖も、彼が確かに存在したことを証明する要素は、湯に入れた氷のように形を失い、そのほか雑多な記憶と、浅く溶け合っていく。
認知崩壊の影響を受けた記憶を思い出そうとするたびに、既視感を見ているような感覚が襲ってくる。思い出そうと続けようとすれば道標を失い、思考はねじれ、絡み合い、吐き気がして、あきらめることになる。
「このあたりで休むか?」
そんな代わり映えのない発言は、ひどく気力を削ぐ。
さっきから少年は、自分の腰に回された少女の手を、ずっと撫でていた。そばにいた一人が消えただけなのに、そばで三か月をともに過ごした少女の存在が、不安でならなくなる。
もし彼女まで消えてしまったら……そう思うだけで、背中に冷たいものが走り、少女の手を撫で続けるしかなかった。
理屈ではわかっている。まだ初期段階の少女が、そう簡単に消えることはない。しかし、今のようにバイクに乗っていると、……(コンテンツの読み込みに失敗しました!更新するか、ブラウザを変更してください)
## 第三章 旅
> https://www.bilinovel.com/novel/823/36294.html
「本当に最悪……」
助手席に座る少女は、フロントガラス越しに、汚れた綿をかぶせたような空を眺め、ゆっくりと言った。
「うん。どうやら君みたいな晴れ女でも、運が尽きるときは尽きるんだな」
少年は苦笑してドアを開け、びしょ濡れの靴を力いっぱい絞った。
車の外の雨は、止む気配がまったくない。少年が脱いだ衣服も、乾きそうには見えなかった。
BOSSの倉庫を出てから、すでに数日が経っていた。二人はもともとBOSSが指示した『隣町』を目標に、人けのない道を走っていた。途中で道を間違え、少し手間取ったものの、予定より一日遅れただけだ。
しかし、その日の夜は、ちょうど雨に出くわした。
突然、土砂降りが始まり、少年たちはあっという間にずぶ濡れになった。
もちろん、少年たちも馬鹿ではない。雨具はきちんと携行し、簡易テント代わりのビニールシートも持っていた。この三か月の旅で、雨に打たれない道理はない。
しかし、それらの道具は、今回は役に立たなかった。
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