オリジナルの物語設定
死者の学園祭
読み始める →原題: 死者的学园祭
# 死者の学園祭 ## 挿絵 > https://www.bilinovel.com/novel/939/119381.html   という言葉は、昔ははやったが、今では誰も使わない。ながら族がいなくなったわけではない。誰もがながら族になったのだ。
真知子も例外ではない。ヘッドホンで音楽を聴きながら英文の練習問題を解き、口にはケーキを詰め込み、頭では明日の予定を考えている。彼女にとって、それは造作もないことだった。
ところがこの夏休みは、そう思いどおりにはいかない。夏休みの宿題を書き、殺人事件の真相を調べ、恋をする。この三つを同時に進めるのは、どれほど有能な真知子にも無理だった。愛を打ち明けながら、右手で辞書をめくり、左手に拳銃を持ち、右足でダンスのステップを踏み、左足で殺人犯を追う——そんなことができたら、彼女は妖怪である。
やはり一つずつ片づけるしかない。それなら、手早く終わるものから始めるのが効率的だ。さっきの三つうち、事件の捜査と恋愛は他人が絡むから、自分の予定どおりには進みにくい。残るのは夏休みの宿題だけ。これまでいつも、休みが終わる三日前に一気に書き上げていた。今回は腹をくくって、夏休みの最初の三日で終わらせる——はずだったのに、逆だった。
なぜだろう。書く気は確かにあった。それなのに、英語を日本語に訳す宿題の……
## 第三部 死者の学園祭
1 新学期の始まり
二学期は九月八日から始まった。学校に戻った生徒たちは話し足りず、話題の中心はもちろん真知子だった。あのときの様子はどうだったの、あれは全部本当なの、とクラスメイトは問い続け、真知子はほとんど対応しきれなかった。
そのうえ、C組の担任は音楽の三沢先生に替わった。倉林先生と幸枝が突然姿を消した件を、学校は事実のまま外に出したくない。だから三沢先生には、倉林先生が急用で田舎の実家に戻らねばならず、しばらく学校には戻れない、とだけ生徒に伝えさせた。その説明を聞いた生徒たちはざわつき、不満の声を上げた。三沢先生は続けて言った。
「長池幸枝さんは倉林先生の奥さまですので、一緒に帰られました。いまはとりあえず休学の手続きが済んでいます。」
言い終わると、教室に上がった驚きの声は、チンパンジーが一頭、授業に来たときの衝撃に決して劣らなかった。
倉林先生に片想いしていた生徒たちは、ほとんど泣き出しそうだった。
「ひどい。本当にひどい。」
あちこちでため息が漏れる。真知子も、初めて聞いたふりをして驚いた顔をつくった。この場で、自分はとっくに知っていたと言えば、確実に袋叩きにされる。
さらに残酷なことに、試験はすぐに始まった。五日の試験期間が終わると、クラスも興奮のなかで、少しずつ落ち着きを取り戻していった。
いまは九月の半ば。みんなは、別のことに熱を入れ始めていた——……
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