オリジナルの物語設定
おジャ魔女どれみ16
読み始める →原題: 小魔女Doremi16
# おジャ魔女どれみ16 ## 第一章 春色爛漫 > https://www.bilinovel.com/novel/2074/74626.html ウェブ翻訳版 od16.cu.cc より転載 翻訳:Cpp_argo 桜の花びらが一枚、そよ風に乗ってふわりと部屋へ舞い込み、私の左肩に落ちた。 きっと隣の家の、花が散りかけて新芽を吹き始めている桜の木から飛んできたのだろう。そうに違いない。 なんだか、とてもいい気持ちだった。
オリジナル小説です。登場人物と出来事は架空です。
紹介の編集: 黄果ショートドラマ · 更新日:
物語
## 第一章 春S爛漫
桜の花びらが一枚、そよ風に乗ってふわりと部屋へ舞い込み、左肩に落ちた。
たぶん、隣の家の、花は散りかけて新芽を吹き始めたあの桜から飛んできたんだろう。きっとそうだ。
なんだか、すごくいい気分。
——いまはそんな風流に浸っている場合じゃないってば!
鏡に映った自分にツッコミを入れながら、まだ半分しか結べていないお団子頭を見て、ため息をついた。
はぁ、お団子頭、やっぱりまとめられないのかな。
わたしのこの髪型、正式名称はシニヨン([仏]chignon)っていうの。聞いたこと、ある?
「小学生のときの半分の長さでもあったら、一対に結べるのに……」
ぼやきながらも、顔には勝手に、間抜けなくらいの笑みが浮かんでしまう。
だって今日は、美空第一小学校のみんなと久しぶりに再会できるんだもの。うれしくなるのも当然でしょ。
そう、今日は美空第一小学校六年一組と二組の卒業生が集まって、同窓会を開く日なのだ。
あ、やばいやばい。
ここまで読んでくれた読者のなかには、まだわたしが誰だか知らない人もいるはず。
じゃあ、あらためて自己紹介しておこうかな。あ、知っている人はこの部分、飛ばしていいからね。
みなさん、はじめまして。わたしが、春風どれみ!
先月、美空市立中学校を卒業したばかりで、優秀な成績をもって県立美空高校へ進学した、世界でいちばん幸せな十五歳の美少女です!
いまはただの普通の高校生だけど、昔は……
## 第二章 MAHO堂開店
わたしたち三人がMAHO堂の前まで走りついたちょうどそのとき、三本のタンポポの綿毛が、くるくる回る風見鶏にはらわれて、吸い寄せられるように屋根の天窓から中へ舞い込んでいった。
早すぎも遅すぎもしない、魔女リカはちょうどそのとき、正面の扉から出てきた。
「魔女リカ!」
わたしの声を聞いて、魔女リカは一瞬だけ驚いた顔を浮かべ、それから花が咲くように笑った。
「どれみ! おお、それに羽月とあいこじゃないか! 久しぶりだねぇ!」
わたしたちは駆け寄って魔女リカと抱き合い、三年ぶりの再会を祝った。
魔女リカは相変わらず、わたしと同じシニヨンに髪を結んでいた。ただ、髪のあいだに白いものがほのかに混じりはじめていた。
「ちょっと歳をとった?」と口から出しかけて、喉元で飲み込んだ。
本当にそんなことを言ったら、絶対に魔女リカを傷つけてしまう。
突然、一つの疑問が、喜びでいっぱいだったわたしの頭に湧いてきた。
「魔女リカ、これってどういうこと? 前は、ハナちゃんが魔女界の女王になるまで、ずっとあっちにいるって言ってたじゃない」
「……」
魔女リカは眉をひそめ、顔に曇りが広がった。
一言も発しない魔女リカに、わたしが口を開くより先に、あいこが我慢できずに言った。
「魔女界で、いったい何があったの?」
羽月も心配そうに尋ねる。
「ハナちゃん、何かあったの……?」
「……あいつに何があろうと、知ったことじゃないわ」
魔女リカは嫌悪をにじませてそう吐き捨て、顔をそむけた。
「あの家が、って……
## 第三章 北海道へ出発
「もうだめ、これ以上食べられない。勘弁して」
膨らんだお腹をさすりながら、泣き言を言った。
目の前では、毛ガニが一匹、また一匹と、横向きになって口元へ這い寄ってくる。
仕方なく毛ガニを食べ終えると、別の毛ガニがまた這い上がってくる。
ついに、パンパンに張ったお腹が限界を迎え、ばん、と破裂した。
「わああああああ!」
うっかり自分のその悲鳴に驚いて、目が覚めた。
「ど、どれみ!」
新千歳空港へ向かうこの便の客室で、両脇に座る羽月とあいこがわたしの口を押さえていた。
「う、うう、息が……」
「もう変な声、出さない?」
羽月が小声で尋ね、わたしは鶏が米をついばむように、こくこくと大きくうなずいた。
二人は安心した様子で、手を放した。
周りの乗客が驚いた顔でこちらを見ている。
「すみません。ご迷惑をおかけしました」
あいこが頭を下げて謝った。
「どれみも早く謝って」
「ご、ごめんなさい……」
あいこに頭をぐいっと押さえつけられる。
すると四方から笑い声が起こり、機内にやわらかな空気が広がった。
出発までまだ二十分というとき、音符のお父さんがようやくホームに姿を現した。
相手がいきなり親父のアディを連れていこうとしたので、わたしたちはなりふりかまわず逃げ出した。
「おい、待て——!」
あいさつを慌ただしく済ませると、わたしたちは彼に、どうしても音符の元気な姿に会いたくて、ついにここまでたどり着いたのだと話した。
その男の歩き方は……
## 第四章 キラキラ☆夏の日
これは、稚内から帰ってそう間もないころの話。
ああああああ——わたし、全然気づいてなかった——!
声には出していないけど、心の中ではまさにムンクのあの絵『叫び』のようなポーズを取っていた。
高校に上がったとたん、毎日の生活が大きく変わった。加速されたみたいに、忙しくなったと言うべきか。
桜が散ったことくらいは覚えている。そのあと家の周りにどんな花が咲いたかは、もう思い出せない。それくらい忙しかった。
学校とMAHO堂のバイトでばたばたしてはいても、だんだん慣れてはきた。それでも、自分のことで精いっぱいで、たくさんのものを見逃している気がする。
「そんなことないよ。前と変わらないじゃん」
あいこが軽く言った。
かっこいいなあ、あいこ。
そうだよね。わたしなんて、ずっと忙しくて手が回らないんだから。
高校生になったら、もっと落ち着いたお姉さんみたいな感じになると思ってたのに。
そういえば、だいたい一週間前、羽月がMAHO堂に来たとき、わたしたちに挨拶する声を聞いたとたん、あいこは羽月にこんなふうに聞いた。
「どうしたの? 羽月、どこか具合悪いの」
「うーん、もうすぐテストだからかな。高校って、やたらテストがあるよね」
「ほんとほんと。せっかくきつい受験を乗り越えて高校に来たのに、まだ受験生と同じ毎日だよ。ひどいよね」
あいこはあのときから……
## 第五章 夢を信じて
ブナ林を抜けてくるそよ風を受けながら、わたしたちは不帰山川の源流へ向かって歩いていた。
お父さんが先頭で、続いて音符、いちばん後ろがわたし。
三人とも腰まである渓流釣り用のウェーダーを履いて、汗だくになっていた。
わたしが履いているのはお父さんの古いウェーダーで、音符のはおじいちゃんので、ちょっとだぶだぶ、歩きにくい。
「お父さん、まだ?」
「もうすぐだ。もうちょっとがんばれ」
お父さんは三人分の竿を持ち、釣り専用のベストを着て、わたしたちよりさらに汗をかいていた。
「今回は音符も一緒なんだから、ちょっと休もうよ」
休みなく三十分近く歩いて、へとへとのわたしが不満げに言った。
「わたしは大丈夫。それに……」
音符は気楽な顔で、耳を澄ませている。
「ん?……」
わたしも意識を集中して聞くと、ごく弱い、さらさらとした水の音を感じた。
「聞こえた?」
「うん!」
林を抜けて沢まで行けば、冷たい水で顔を洗える。
一気に元気が出て、鼻歌をうたいながら足を進めた。
なぜ三人で渓流釣りに来たのかと聞かれれば、昨夜、おじいちゃん家の囲炉裏端で夕食をとっていたときまでさかのぼる。
「この魚、すごくおいしい!」
飛騨に来てからずっと口数の少なかった音符のこの一言が、すべてのきっかけになった。
それからリールを巻いて糸を回収し、毛バリを竿の留め具に掛けた。
わたしが急須を受け取ると、音符が言った。
音符は、なおも途切れることなく続くSu……を見つめていた。
## 第六章 明日へ走れ!
そうして、わたしもようやく親友たちと同じスタートラインに立って高校生活を送れるようになってきた、と感じはじめていたときのこと。
わたしたちのなかでいちばん充実した高校生活を送っているはずのあいこが、陰鬱な顔でMAHO堂に現れた。
彼女は三日前、国民体育大会の県代表に選ばれたとき、あんなに気合が入っていたのに。
「国体でいい成績を残せば、陸上の名門大学に進めるだけじゃなくて、オリンピックの強化選手にだってなれる! 絶対がんばるから!」
「どうしたの? そんな暗い顔して」
「部のなかで、浮いてるみたいなの」
「どういうこと? よくわからない」
あいこの話では、部員が少なく実力が落ちている美空高校陸上部で、彼女が孤軍奮闘すればするほど、みんなから孤立していくのだという。
「部活なんて、適当にやって楽しけりゃいいだろ。要するに、お前は目障りなんだよ」
先輩から、そこまで言われたことさえある。
「気にしなくていいよ! 夢はオリンピックで金メダルを取ることなんでしょ?」
「うん……」
「本当は部員たちだって、夢に向かって走っているあいこのこと、うらやんでるんだよ。そんな見方に迷わされないで、今までどおり練習していればいいの」
ほかのドラマ
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